社員のポジション、役職を考えるには

人材育成・採用コンサルティング

後悔していることが一つある藤森です。この時期(9月下旬)になると、毎年、後悔していることが浮かんでしまいます。実は、社長の右腕に関する記事も、この後悔が背景にあったりします。

さて、今回のコラムは「社員のポジション、役職」についてです。このテーマも、経営をしていく上で、悩ましいところの一つです。もう少し言葉を選ばずにいうと「使える社員、使えない社員」って何よ?みたいな話になってしまいます。

目次

「やりたいこと」と「できること」

社員さんも、自分でキャリアを描いていたりします。こうなりたい、こういった仕事をしたい、こういった役職につきたいなど(若い子たちはそこまでは・・・というようなお話はまた後日)。社員さんの「やりたい」ということが、必ずしも「できること」と一致はしないものです。

例えば、Aさんは、営業リーダーをやりたいと思っている。しかし、営業職に就かせてみると、コミュニケーションをとるのが下手で、営業成績が上がりません。そこで、社長さんが色々と進言するも「頑張ります!」と気持ちの良い返事。けど・・・社長は、裏で「使えない」って評価してしまったり、愚痴ってしまったりです。

「やりたい」という気持ちと「できる能力」については、必ずしも一致しない。問題は、それでも頑張ろうとする社員さんに対してどう向き合っていくのか?ということ。

「できる」ように育成する

社員さんとの向き合い方の一つが、「できるように社員を育成する、社員教育を行う」というものが浮かぶと思います。様々な研修やら、技能検定とか受験したり、資格を取得させたりというようなことも。

例えば、今の社員さんの能力が英検3級で、実績が上がらない理由が、英語力であるとなれば、英検1級を目指してと。その原因に対応して、現在の能力アップを図っていくみたいなことで良いかもしれませんね(ビジネスで英検ってのが一つの基準となるかは別ですが)。

「できるように育成、社員教育」ということで、社員さんの「やりたい」キャリアに近づいていくということになりそうです。

ただ、ここで気が付いてほしいことがあります。

本当にそれでいいの?

気が付いてほしいことは、「原因」です。いや、注目してほしいことのほうが正確かもしれません。

先ほどの例では、「英語力」というものが原因でした。そして、Aさんは英語に対して「苦手」だったら?ということを想像してみてください。「苦手でもがんばれ!」として期待まで伸ばしていくのか?ということが本当にそれでいいのか?とも思えてきます。

また、そもそも原因に注目していないとなると、もっと問題かもしれません。例えば、Aさんの場合では英語力ではなく、表情の問題だったみたいな(そもそもコミュニケーションが苦手)だったらです。

「使えない」と嘆く前に、どうしてそういった結果になるのか?ということを考えて、原因に注目をしてみて欲しいです。そうすると、本当にそれでいいの?ということが分かり、社員さんにとって最適解の育成方針や社員研修の実施となってきます。

本人のやる気を大切にしたい

「適材適所」という言葉ありますね。結局は、これをどう実践していくか?が難しいところでもあります。

なぜか?というと「本人のやる気を大切にしたい」ということが出てきてしまうからです。

例えば、先ほどから登場しているAさん。「やりたい」とやる気はあるのです。しかし、成績が伸びない原因が、英語力であって、英語に対してはかなり苦手。どうも勉強を進めていても、中々英語力は・・・という場合です。

そのポジションでの活躍が期待できないというものです。この場合も、「やる気はあるんだけどさ~使えない」と嘆くことが多いものです。

そうすると「適材適所」ということを思い出してもらえたら。

自分が採用した以上「適材」と判断したわけです。適材と判断した、その理由は何でしたか?

適材であることを思い出す

適材として採用した理由を振り返ってみてください。そこに「適所」のヒントがあるのではないでしょうか。先ほどのAさんの採用した理由は?「営業職」に就きたいからという理由だけではないかもしれませんね。

さらに、Aさんに話を聞いてみると、Aさんのキャリアイメージであったり、働くことの理由であったりを知れば、より適所が見いだせるものです。

「使えない」ではなく「活躍させられていない」というものです。もう少し、分かりやすい例えであれば、野球とか、バスケとかでもポジションを変更するってことはありますよね。とすると、野球やバスケなどのスポーツでのポジション変更を監督やコーチがどのように提案していくのか?というあたりを想像してみてください。

社員さんのポジション、役職を考えるのに、採用した理由を振り返りながら、さらに当の本人が描いていることなども含めて考えていく。そのためには、社員さんの良さに注目しつつ、それを引き出すフィールドはどのようなフィールドなのか?ということを考えてみて欲しいです。

採用したのですからダメ社員はいないはず。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次